H.C.R.2012 ビジュアルデザイン
日本画家にとって金屏風に画を描くという事は特別な事なのだといいます。金箔を全面に施した屏風に描くので、失敗したり気に入らないからといって、破り捨てるなんてことは出来ませんし、誰もがその機会に巡りあえるわけではないでしょう。松村公嗣さんは、ある大先輩の画家から「描いてみては」とこの金屏風を譲り受けたそうです。その時が初めての挑戦だったという金屏風は、一分の隙も許さないような心血が注ぎ込まれ、後に「雪月花」という、一年の時の移ろいを六曲の金屏風に凝縮した作品として世に出たのでした。
互いに思いやりを重ねて日常をともに生きること、が福祉の一面であるとするならば、気づかぬうちに季(とき)が簡単に過ぎてしまうこともあるのでは。時折立ち止まって自然の美しさや、季節の匂いを感じ取るような機会を一緒に持ちたいものだと、この画を観て、そのストーリーを聞いて、そんな事を感じていただきたく制作しました。(ポスターでは右三曲分、春牡丹と夏のアゲハ蝶を使用しました。もう左半分は秋の月と雪の積もる冬牡丹が描かれています。)
(韓祐志:ポスター担当アートディレクター)
原画作者:松村 公嗣 氏の略歴 |
よみ |
まつむら こうじ |
生年月日 |
昭和23(1948)年1月26日 |
出身地 |
奈良 |
現住所 |
愛知 |
師系 |
片岡球子 |
初入選 |
昭和47(1973)年再興第57回日本美術院展覧会(以下「院展」)《漁夫》 |
日本美術院賞 (大観賞) |
平成10(1998)年再興第83回院展《なおい》 |
同人推挙 |
平成10(1998)年11月10日 |
現職 |
日本美術院同人、理事、愛知県立芸術大学教授 |
備考 |
平成7(1995)年 第14回日本美術院奨学金(前田青邨賞)受賞
平成16(2004)年 再興第89回院展出品《ベナレス》文部科学大臣賞受賞
平成19(2007)年 再興第92回院展出品《はだか祭》内閣総理大臣賞受賞 |
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